杉山のぶお議会報告 (2008.3.28)
平成20年2月県議会定例会が終わりました
平成20年度の神奈川県の当初予算などを審議する2月県議会定例会が3月24日に閉会しました。
今回は、当初予算のほか、道路特定財源をはじめ様々な議論が行われましたので以下、その概略についてご報告します。
◎平成20年度当初予算の概要(安心と活力の神奈川、改革推進)
平成20年度の神奈川県の当初予算は、1兆6,832億8,800万円で、前年度に比べると4.8%伸びました。
しかし、昨年の当初予算は、統一地方選挙があったことから骨格予算でしたので、6月の肉付け後の予算と比較するなど、同じ条件で比較すると、実態は0.4%の伸びにとどまる、緊縮型の予算になりました。
しかし、県民生活の安全・安心や福祉医療など、必要な事業にはしっかりと対応した予算となっています。
(1)歳入予算
神奈川県の歳入予算の8割を、皆様からの税金である県税が占めています。20年度の県税収入の見込み額は1兆2,800億円となっており、過去最高となっていますが、これは好調な企業収益などに支えられたものです。
しかし、最近の原油・原材料の高騰や円高などにより、税収の動向は予断を許さないものと考えます。
また、地方交付税は、昨年度より100億円少ない160億円を見込みました。
さらに、県の借金である県債は、歳入全体の7.5%の1,266億円を計上してあります。
(2)予算全体について
今回の予算を県民一人当たりにすると、一人当たり18万8,916円となります。このうち教育に使うお金が6万9,581円、高齢者や障害者、児童などの福祉に使うものが2万7,679円、警察に使うものが2万2,881円、道路や市街地整備などの土木費が1万5,598円、医療に使うものが4,259円などとなっています。
(3)歳出予算のうち主な取組み
@安全・安心の向上
○地震防災対策の推進
・地震・火山対策の強化………地震観測機器の増設
・石油貯蔵施設周辺地域施設整備
○県有施設の耐震化
・川崎工業高校、新城高校、向の岡工業高校、川崎北高校など
・防災行政通信網(衛星系)の整備(総額24億円)
○犯罪被害者等支援条例(仮称)の制定準備
○新型街頭緊急通報装置の整備(5箇所)
A環境対策の推進
○地球温暖化対策の推進(クールネッサンス宣言の推進)
・電気自動車の普及推進
・県有施設への太陽光発電設備導入
・蛍光球の普及推進
○循環型社会作りの推進
・廃棄物の発生抑制・資源化・適正処理の推進
○自然環境の保全
・全国植樹祭の開催準備
・自然環境保全センターの整備
B保健・医療・福祉の着実な推進
○がん対策の総合的な推進
・がんセンターの総合的な整備(重粒子線治療施設の検討など)
・公共的施設における禁煙条例(仮称)の制定準備
○産科等医師・看護職員。助産師の確保対策
・特定診療化型奨学金の創設準備
・厚木看護専門学校新築工事(総額17億5,000万円)
○子育て支援施策の充実
・小児医療費助成制度の拡充(3歳未満→就学前)
・こども医療センター新生児集中治療室(NICU)の増床(15→21)
○後期高齢者医療制度の安定的な運営に向けた支援(県負担額426億円)
○肝炎対策の推進(インターフェロン治療費の公費負担等)
○民営鉄道エレベータ等整備費補助(宿河原、向河原、高津)
C 教育施策の充実
○「県立高校施設再整備10か年計画」(まなびや計画)の推進
(川崎工業高校など)(大師高校、百合丘高校→アスベスト対策)
○特別支援学校の整備
○いじめ・不登校・ひきこもり対策の充実
○私立学校経常費補助の充実
D地域経済の活性化
○中小企業支援対策の充実(中小企業制度融資規模2,600億円)
○卸売市場施設整備費補助(川崎市地方卸売市場南部市場花き卸売場等)
○インベスト神奈川第2ステージの推進
○神奈川県商店街活性化条例の制定を踏まえた振興方策
○観光振興条例の制定準備
○雇用対策の充実
・障害者しごとサポーターの県内全域への拡大
○食育の推進(神奈川県食育推進基本計画の策定)
E特色ある地域づくり
○京浜臨海部の活性化
・羽田空港への連絡道路、鉄道アクセスの調査検討
○鉄道道路網の整備促進、市街地の整備など
・神奈川東部方面線の整備支援 ・大船・藤沢間の新駅設置等の検討
・東海道新幹線新駅・リニア中央新幹線駅誘致の推進
・西湘バイパス延伸計画の促進
・川崎縦貫道路整備のための出資
・市街地再開発事業費補助(武蔵小杉駅南口など)
Fその他の取組み
○神奈川開港・開国150周年メモリアルイベントの推進
○県立新ホール(神奈川芸術劇場)の整備
○バスICカードの導入支援
◎その他の話題
(1)道路特定財源について
今、議論となっている道路特定財源については、県議会でも大きな議論となりました。神奈川県は、まだまだ道路整備が遅れて激しい渋滞を引き起こしていることから、県議会では『道路特定財源の暫定税率の延長を求める意見書』を可決し、総理大臣などに提出しました。
(2)知事の特別秘書について
政治的な活動もできる特別秘書の設置条例が、知事から提案されました。私は、今後地方分権の実現に向けた様々な取組みが活発化することから、その必要性を認め、側近政治にならないよう注文をつけた上で賛成しました。
(3)原油・原材料高騰対策
神奈川県では、原油価格等の高騰などの影響で経営が苦しい中小企業への緊急融資を昨年12月から始めました。このほかにも農林水産業などさまざまな業種で影響が出ていることから、県では3月28日に「原油:原材料高騰対策本部」を設置し、総合的な対策に乗り出すことになりました。
(4)がん克服条例
がん対策については、県でも「がんへの挑戦・10か年戦略」を定めて取組んでいますが、県議会では更なる取組みの充実を求めて、議員提案で「がん克服条例」を提案し、可決成立しました。
(5)臨時特例企業税について
3月19日に横浜地方裁判所で、神奈川県の臨時特例企業税について、県の全面敗訴の判決が出されました。
この制度については、総務省とも充分精査した上で、われわれも県の財源確保の取組みとして賛成し、導入したものですので、不本意な結果となりました。
今後も、県の課税自主権については地方自治の重要な役割を担うと考えていますので、控訴審の行方を見守っていきます。
(6)県立病院の地方独立行政法人化について
県では、県立病院の一層の経営改善を図るために、平成22年に県立病院を民営化の一つである地方独立行政法人にする計画を打ち出しました。
私も厚生常任委員会委員として、この問題について議論いたしましたが、地方独立行政法人化によって医療サービスが低下しないよう、当局に強く要請していきます。
(7)議会改革の取組みについて
『商店街活性化条例』や『がん克服条例』を議員提案で成立させましたが、さらに県議会を活性化するために、現在、議会基本条例の制定に向けて準備を進めています。この定例会期間中に、そのための特別委員会も設置され、活動を開始しました。